2019/05/15
現代社会は高度に発達し、生活も豊かになっています。しかしその一方で、ストレス社会と言われ、ますます厳しくなる競争社会や管理社会の閉塞的な環境の中で多くの人たちはストレスを抱えて生きています。そして、そのストレスが原因で心の病気にかかる人も増えています。
心と体の関係は複雑で、まだわかっていないこともたくさんありますが、ストレスという言葉は私達の日常においてとても身近な言葉になっています。
ではストレスとはないかと問われたときはっきりと答えら得ないところもありますよね。そこで、いったいストレスとはどういうものなのか、解説していきます。
ストレスとはなにか
ストレスを簡単にまとめると、
「外部からの様々な刺激(ストレッサー)によって自分の身体や心に負担がかかり、『歪み』(ストレス反応)が生じること」
です。そのためストレスが、様々な心や体への不調を引き起こす原因になるんですね。
もっと目に見える形で説明すると、例えば、ゴムボールを指で押すとゴムボールは凹みますね。このとき、指で押す力が刺激(ストレッサー)で、ゴムボールが凹むのが歪み(ストレス反応)です。
このとき押す力(ストレッサー)の大小によって、ボールの歪みが変わってきます。耐えられるくらいの刺激であれば、もとに戻ることができますが、より大きな力で押し続けられるとやがて元の丸い形に戻ることができなくなったり、破裂したりします。
この元に戻れなくなったり破裂したりするのがストレスが引き起こす心や体の不調や病気です。また、ゴムボールの強度が個人差ということになります。
平常、人の心や体というのは、正常な状態を保とうとします。ですから、ちょっとした刺激に対してはすぐにもとに戻ります。そのため、適度な刺激は抵抗力をつける上で、多少は必要と考えられるのです。
でも、ゴムボールと同じように過度な刺激を受け続けると、この元に戻ろうとする力が弱まり、ついには耐えられなくなることがあるのです。
ストレスの原因
それでは、ストレス反応を起こす刺激(ストレッサー)、つまりストレスの原因ですね、これを見ていきましょう。
刺激(ストレッサー)とは
刺激(ストレッサー)とはどんなものがあるのでしょうか。一般的には、刺激(ストレッサー)とは次の4つがあると言われています。
- 心理的刺激
- 物理的刺激
- 社会的刺激
- 身体的刺激
などがあるとされています。
心理的刺激とは
配偶者との別れ、失恋、人間関係、仕事上の問題、家庭の問題など
物理的刺激とは
暑さ寒さなどの温度差、騒音、混雑、薬物など
社会的刺激とは
貧困、失業、借金など
身体的刺激とは
怪我、重大な病気、疲労など
このように刺激(ストレッサー)となるものは様々あり、どれも私達の身近なものばかりです。言ってみれば、どんなものでも刺激(ストレッサー)になりうるということでもありますね。
ストレスの症状
刺激(ストレッサー)によって引き起こされる心や体の歪み、つまり、ストレス反応にはどんなもがあるでしょうか。
ストレス反応は、心や体の中でも、刺激(ストレッサー)にたいして弱い部分に反応として出やすいと言います。ですからこれには個人差があることになります。頭痛であったりめまい、消化器系など人それぞれに歪みの出方が違います。
ストレスの初期段階に見られる症状
- 目が疲れやすい
- 肩がこりやすい
- 背中や腰が痛くなる
- 朝気持ち良く起きられない
- 頭がすっきりしない
- 立ちくらみしそうになる
- 夢をゆく見る
- 手足が冷たくなる事が多い
- 食べ物が胃にもたれる感じがするようになった
このように様々な反応が心理面、身体面、行動面に現れてきます。
これらの反応が長く続く場合は、過剰なストレスの状態に陥っている可能性があります。それが続くと慢性ストレス状態になってしまいます。
慢性ストレス状態の主な症状
- なかなか疲れが取れない
- すぐに疲れる
- お腹が張ったり傷んだり、下痢や便秘がよくある
- ちょっとのことですぐにイライラする
- 人と会うのが億劫になる
- 仕事をする気が起きない
- 風を引きやすくなり、また、治りにくい
- 体重が減る
- 舌が白くなる
- 夜目が覚め、その後寝付けない。
- 食欲が落ち、好きなものでも食べる気がしない
これらの症状が更に続き、症状が重たくなると病気の可能性が出てきます。
それでは、次にストレスが影響する病気について観ていきます。
ストレスが影響する病気
経済的にも豊かになって、より快適な生活を遅れている現代社会。しかし、一方では、ストレス社会とも言われていますね。今までみてきた様々な原因から私達は多くのストレスを抱え行きています。現代社会だからこそ生まれたストレスとも言えます。この現代社会から生じたストレスが影響する病気には、例えば次のようなものがあります。
燃え尽き症候群
朝起きられない、会社に行きたくな、お酒の量が増えたと言うようなストレス症状から始まり、家庭生活の崩壊、対人関係を避ける、最悪のケースでは、自殺や犯罪にまで発展したものもあります。
持続的な職務上ストレスに起因する衰弱状態により、意欲喪失と情緒荒廃、疾病に対する抵抗力の低下、対人関係の親密さ減弱、人生に対する慢性的不満と悲観、職務上能率低下と職務怠慢をもたらす症候群(ハーバード・フロイデンバーガー:米心理学者)
と定義されます。
無気力症
いわゆる5月病。
不眠症
自律神経失調症
精神的に心と体に不調が現れる状態であり、ストレスにより自律神経が乱れたときに発症します。
全身の倦怠感、頭痛、肩こり、多汗、動悸、めまい、不整脈、不眠などの症状が起きる。不安、緊張、躁鬱などの症状も見られるときがあります。
アルコール依存症
引きこもり
最近では中高年の引きこもりが社会問題化しつつあります。
うつ病
老年期うつ病
その他では、ネット依存などのテクノストレス症候群も新しい病気として取り上げられることもあります。
ストレスの対処法
- ゆっくりと休養をする
- 生活リズムを整える
- 運動する
- 食生活の改善をする
- リラックスする状態を作る
呼吸法・瞑想法 - メンタルトレーニングをする
レジリエンストレーニング・認知行動療法など
など試してみて下さい。
あなたのストレス度は?ストレスチェック
さて、ストレスを長引かせ病気にまで移行しないようにあなたのストレスをチェックしてみましょう。
ストレスを抱える人の多くが自分のストレスに気がついていないと言われます。
ストレスチェック項目
よく使われる簡単なストレスチェック表です。当てはまるものにチェックしてみてくださいね。
❏集中できない ❏イライラする ❏やる気が出ない ❏人と話すのが億劫 ❏風を引きやすくなった
❏食欲が無い ❏暴飲暴食をすることがある ❏お酒の量が増えた ❏好きなものも食べたくない
❏胃がもたれる感じがする ❏ちょっとしたことに腹が立つ ❏すべてを投げ出して逃げ出したくなる
❏いくら寝ても寝たりない感じ ❏ショックなことがあるとひとり抱え込む ❏怒りをぶつけたいけれどもぶつけられない
❏最近夢をよく見る ❏夜中目が覚める ❏寝付きが悪くなった ❏体重が減った ❏直ぐ疲れる
❏疲れが取れにくい ❏手足が冷たい ❏めまいがする ❏口の中が荒れたりただれたりする ❏目が疲れる
❏鼻詰まりがする ❏動悸がする ❏耳鳴りがする ❏喉が痛くなることがある ❏頭痛がする
あなたは何個チェックが付きましたか?
あなたのストレス度
チェックの数
0~ 5 適度なストレス状態です。このまま気分転換を上手にしていきましょう
6~10 軽度なストレス状態 ちょっとストレスを感じているようですよ。早めに対処法を試しましょう。
11~20 かなりストレスを感じているのではないでしょうか?ちょと心配です。相談してみてはいかかですか?
21~ 悪循環に陥っている可能性があります。すぐに相談できるところで相談してください。
あなたはどのくらいのストレス度でしたか?ストレスは軽くみてはいけませんよ。できるだけ冷静に自分の状態を意識できるようにしてくださいね。
まとめと対策~ストレスとは
ストレスという言葉は私達の日常においてとても身近な言葉になっています。しかし、ストレスとは何かと問われたときに明確個てることが難しい麺がある。そこで今日は「ストレスとはなか」というテーマで記事を書いてみました。
ストレスは
- 心理的刺激
- 物理的刺激
- 社会的刺激
- 身体的刺激
ななどによって引き起こされる心と体の反応のことであり、その刺激(ストレッサー)に心と体が耐えられなくなったとき様々な病気を引き起こします。
ストレスの初期症状に気付くことでストレスを長引かせたり病気に移行させない事ができます。
そのためには、普段から、自分の心と体の状態を意識していくことが大切です。